キプロスの国民性は、帰属する宗教への厚い信仰心と芸術性の高さ、質素を重んじる生活様式が特徴といえます。

国民の帰属意識は、その信仰する宗教宗派と同一と見てよいでしょう。

正教派のギリシャ系が8割、イスラム派のトルコ系が2割を占めています。

その他の少数派には、マローン派とアルマニア教会派のキリスト教徒がいます。

この国の正教会は、イスタンブールのコンスタンチノープル総主教庁にも、アテナ大主教をトップとするギリシア正教会にも所属せず、大主教をトップとするキプロス正教会傘下で自主独立のスタイルをとっています。

ギリシア系住民とトルコ系住民は古くは、島の全域に分布していましたが、1970年代の南北分裂を機に北部に居住するギリシア系住民の多くは、トルコ軍の支配から逃れて南部に移り住み、南部に居住していたトルコ系住民の大部分が復讐を恐れてトルコ軍支配領域内に避難した結果、ギリシア系の99%が南キプロスに、トルコ系の98%が北キプロスに存在することになりました。

その他の少数民族の殆どは、南キプロスに存在しています。

この国の人たちの真面目な信仰心や厳格な姿勢は、ユネスコ世界遺産にも登録された文化遺産に見ることができます。

フレスコ壁画が綺麗なトロドス地方の壁画教会群と、女神アフロディテ生誕の地として有名なパフォース、それに有史以前の農耕民族の活動の地ヒロキテアです。

内陸部の山岳方面には、ギリシヤ正教教会がたくさん残っています。

これらの教会の大部分は、石造木造の構造に切り葺き屋根という大変に質素な構造である清貧を、重んじる国民性を垣間見ることができます。

教会の中へ入って行くと、中には雅やかなフレスコ壁画が目に飛び込んできます。

これらの遺産は当時の上質な芸術性と、民衆の信仰心の厚さを如実に表しています。

世界文化遺産には、のどかなトロドス山南部の麓に広がる村々に、中世に建造された複数のビザンチン教会が登録されており、その時代背景と民衆の生活を知ることができます。

また聖ニコラウス教会は、カコペツーリア村の北へ数キロほどに位置し石を積んで造った教会で、個性的な屋根を持つことから屋根の聖堂と言われています。

ここでは、中世の壁画が保存状態も良く残されており、特にセパーステの40人の殉職者は、厳かな古典様式の特長を良く表しています。

またカコペトーリア村には、保護地区に定められている昔ながらの民家群が残る場所があり、伝統色豊な町並みを見物することができます。